「幼い乳」の中で、誘拐のことを教えてくれる男がでてきました。ドラッグ売りの男。
写真の右側の男性がそれです。彼はマリワナを吸っている最中です。

「幼い乳」の中で、ラストで僕がマリワナとわかっていて、それを吸ってしまうシーンがあります。
ゲラを直している時、校閲の方から「ここは削除すべきか」という指摘をいただきました。読者からの批判があるのではないかということを想定してのことです。(最終的に、いろいろ話し合って残すことになったのですが)

もちろん、僕は常日頃麻薬なんて吸いません。
麻薬どころか、お酒すらほとんど飲みません。仕事で手いっぱいで、飲み会に誘われても九割は断っています。(たぶん、アルコールを飲むのは一カ月に一度か二度ぐらい)

しかし、海外取材をするとき、しかも社会の最底辺を取材する時は、そんなことにかまっていられません。
状況にあわせて、ありとあらゆることをしなければ、生活に分け入ることなんてできませんし、逆に危険な目にあるだけなのです。そもそも、「取材」というのはそういう汚いところがあるものなのです。

僕はそうした事実も含めて「ノンフィクション」だと思っています。
作者だけが「きれい」なポジションにいたって、面白くないですよね。登場人物とともに作者も汚れるところにこそ、真実が現れるのではないか。そう思っています。

だから、『物乞う仏陀』の時は取材のために麻薬を吸うシーンを入れましたし、『神の棄てた裸体』の時は現実逃避のために吸うシーンを入れたのです。





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