これまでたくさん路上で死んでいく女性を見てきました。
みんなそれぞれ印象的で、誰ひとりとして忘れることができません。
本では書きませんでしたが、路上で死んでいく女性のなかには、下半身裸の人が少なくありませんでした。
もともと娼婦だったので、倒れて動けなくなる直前まで売春をしていたのかもしれません。
そしてついに洋服も着ることができなくなった時に「失業」したということも考えられます。彼女が下半身に何もつけずに横たわっているのを見た時にそう思いました。
そうそう、本には書かなかったのですが、登場人物のヌジャハンのことで印象に残っていることがあります。
彼女は便をしても拭くことができませんでした。垂れ流し状態です。その時、周囲に同じように横たわって死を待つ女性たちが、誰ともなく、お尻を拭いてあげていたのです。
それを見た時に、「路上の助け合い」というテーマが頭の中に現れました。
それからは、ひたすら「助け合い」を探す取材に没頭しました。その結果が、ストーリーの最後の描写である<幼い乳>につながったのです。
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