| ノンフィクションの方法 頭でなく、腹で書くがゆえの異常心理 |
文章を書くことについては、二つのタイプがあるんだと思います。 「頭で書く」のと「腹で書く」場合です。
「頭で書く」のは、どうでもいいような文章を書いている時です。 たとえば、今書いているような文章。これはとても簡単です。 事実、昔友達の大学院の論文(修士論文)を代筆したことがあるのですが、その時なんかインドにいて何の資料もないのに、3時間で100枚ぐらいの論文を書いちゃいました(文学論文でした)。 変な言い方ですが、「頭で書く」というのは、「書く内容が頭にあって、それをまとめる能力」があればできちゃうのです。いってしまえば、「知識」と「こて先の技」があればOKなのです。 なので、とても簡単な作業なのです。
しかし、たとえばノンフィクションなんかはそうはいきません。 これは「腹で書く」タイプのものなのです。大袈裟な表現だと思われるかもしれませんが、腹を切って、内臓をとりだして、それをきれいに並べようとするようなつらさがあります。 こざかしい「技」が一切通じない。「知識」なんかも通じない。 体の奥底にある決して出してはならない、あるいは出てこないものを無理やり引きずり出して、それを形にするような感覚なのです。 そして、これをやっている時はかなり異常な状態になります。
僕の場合、書いている時は次のような症状に襲われます。
・体全身に「十円禿げ」ができる
面白いですよね、ひげとかにもできるんです。今度本にする原稿は去年の夏から今年の春にかけて書いていましたが、その間、あごに二カ所、後頭部に一カ所、頬に一カ所できました。
・じんましんが出る
首から頭にかけてでます。首から頭全体にかけてでることが多いですね。 あと、吹き出物が胸と背中に異常にでてきます。ストレスなんですかねぇー。おかげで書いている時は人前で帽子を脱ぐことができません。
・数がかぞえられない
これは僕も不思議なんです。医者の友達に聞いても「?」と言われました。 なぜか計算ができなくなるんです。足し算も3つぐらいまでしかできない。1+2+3まで。それ以上になると、つまり1+2+3+4ができないんです。なぜか4まで思い浮かべた時点で1〜3の数字がでてこなくなるのです。
・不眠症
僕の癖なのですが、物事を考えると一切眠気がなくなります。 なので、書いている時ってまったく眠れないのです。仕方ないので、睡眠薬をつかっています。 ちなみに、書いていない時はベッドに横になったら3秒後には眠っています(笑)。
・汗だく
真冬に窓を開けていても、書いている最中は汗が流れます。 それだけ夢中になっているということなんですかねぇ。このおかげで、僕の部屋にはストーブがありません。部屋にいる時は文章を書いている時なので0度でも寒さを感じないのです。 ちなみに、大学入学ぐらい、つまり文章を書き始めた頃から、一度も僕は部屋にストーブを置いたことがありません。
さて、こんなことを書くと、なんか狂人のように思われそうで心配です(笑)。 ただ、これはあくまでも書いている時だけの症状なのです。書き終わってしまうと、上記のような症状はぴたりとおさまります。 なので今現在は晴れて、十円禿げも消え、じんましんもなくなり、数も普通にかぞえ、バタンキューで眠り、冷房に寒さを感じます。
けど、症状こそ違え、大体みんなこうした異常な状態になるようですね。 それをストレスといえばそれまでなんですけど、いわゆるストレスとは違うような気がします。 ストレスというのは「圧迫」されるような状態なんですが、こちらの場合はその逆、つまり出るに出れない状態からくるものなのです。 いってしまえば、「糞づまり」のようなものです。つまりまくって、踏ん張っても踏ん張ってもブツが出ずに、そのせいで頭がパンクしておかしくなっていくような気分なのです。 だから、踏ん張るせいで「暑く」なるし、「眠気も吹っ飛ぶ」のです。
ともあれ、こういうことなので書いている時は極力人と会わないようにしています。大抵、女性にフラれたりするのは書いている時なので(笑)。
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