以前、日本では、「赤ちゃんポスト」の設置が大きな議論を呼びました。
ただ、世界を歩いていると、この種の「ポスト」を時々目にすることがあります。

写真は、パキスタンの「赤ちゃんポスト」です。
建物の入り口の脇に、ゆりかごが置いてあり、そこに母親が子供を置いていくのです。
この建物のすぐ近くには、アフガニスタン難民キャンプが近くにあり、捨て子の大半はアフガン難民の子供だということでした。

捨て子といえば、忘れられないことがあります。
よく海外に詳しい方々は、「海外では人が簡単に棄てられる。人の命が安く、軽い」といいます。
僕もたぶんにもれず、そう思い込んでいました。本を読んでそうした知識を身につけていたのです。途上国の人は貧しくて自分がいきるので精一杯で子供を棄てたりする、とか。

で、ある日、そんな捨て子のことを追おうとしました。
親がどうやって子供を棄てるのかということを調べてみたのです。
インドのある町で、路上生活をしている老婆にそれを尋ねたところ、こう怒鳴られました。

「わたしたちは確かに子供を手放しているさ。しかし、それは棄ててるんじゃない。自分たちのような生活をしてもらいたくないから、少しで豊かな人に拾っていい暮らしをしてもらうために手放しているんだ」

その後、実際に色んな人と出会ってその話をしていいて、それが真実だとわかりました。
路上での暮らしは過酷なもので、地域によっては10人生んでもまともに育つのが2、3人ということがあります。また、育ったところで親と同じように路上でゴミのように暮らすしかありません。
親は腹を痛めて産んだ子供がかわいくてしかたない。しかし、このまま自分が育てていたら自分と同じ運命をたどるしかなくなる。
それで、断腸の思いで、少しでも良い暮らしができるように、泣く泣く子供を手放すのです。

そのことを知った時以来、決して「簡単に棄てられる・人の命が安い・軽い」ということがいえなくなりました。

日本で「赤ちゃんポスト」の話を聞いた時、、そのことをふと思いだし、こう考えました。
日本の親だって、もしかしたら同じなのかもしれないな、と。





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