写真は、東南アジアの精神障害者施設です。
ここでは、患者は丸裸にさせられ、鎖でベッドにしばりつけられます。
小便も大便も垂れ流し。一日に一度係員がやってきて、木造のベッドにある小さな丸い穴からそれらを落として片付けます。

ちょっと前に、ある雑誌にこの写真を掲載しました。
そしたら、色々と反響があったのですが、一番よくあったのが「なぜこんなことに?」という質問でした。

もちろん、答えは一つや二つではありません。
いろんな問題が絡み合って、こういう現状を引き起こしています。
ただ、その場にいて思ったのが、とにかく医療スタッフが足りないこと。
会う人はみんなズブの素人なのです。素人がなきに等しい給料で世話をしているわけです。

日本は看護士を東南アジアから引き抜こうとしています。
厳しい労働環境にある看護士を目指す日本人が不足しているので、アジアのエリートを日本につれてきて働かせようという計画です。
これは日本だけが行っていることではありません。東アジアの先進国はすでにベトナムやインドネシアやフィリピンやタイなどの途上国からエリートをどんどん引き抜いて働かせています。
もちろん、彼らだって自国で給料もまともにもらえない場所で働くよりは、すべてにおいて優れている先進国で働きたいと思うのも当然でしょう。
しかし、その代償として、途上国にはいつまでたっても志のある優れたスタッフがいない状態がつづいてしまうのです。
その結果誰が一番苦しむかといえば、写真に写っているような人々なのです。

日本ではこんな悩みが増えているそうです。

「病院のスタッフが外人だらけになって、患者のメンタルケアが行き届かない……」

こうしたことを否定するつもりはありませんが、この写真の人々が直面している苦しみと比べれば、信じられないような贅沢な悩みですよね。
でも実際は、私たちがより良いサービスを求めれば求めるほど、地球の裏側に暮らす人々の苦悩が増すというのも事実なのです。





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