アジア各国を歩いていると、商売の多様性について考えてしまうことがあります。
それをつとに感じるのが、「耳かき屋」です。

耳かき屋が一番多いのはインドでしょうか。
ただそれ以外にも、バングラデシュやパキスタンやミャンマーにもいます。

耳かき屋の傾向としては、鉄橋の下なんかにいることが多いですね。
屋根のある所で何人かでかたまっており、通行人に「耳かきはどうだい?」と尋ねます。
どうだいっていわれても……と思うのですが、庶民はけっこう足を止めて耳掃除をしてもらいます。

耳かき屋には二種類あります。
耳かき屋一本の人か、「マッサージ&つめきり&耳かき屋」かです。
後者が多く、3つのコースをまとめてやっている人もいますね。値段は数十円です。

では、耳かきテクニックはどうかといえば、これがスゴイ。
焼き鳥の串のような棒を耳に入れて、それでゴミというゴミを徹底的にだすのです。
さすがにプロをいわんばかりの腕で、彼らに頼むと「ありえないぐらいの耳クソ」がつまみ出されます。
一流の人になると「二刀流」とばかりに棒を二本差し込んで、同時に耳クソを次から次へと書き出していきます。
耳の中からゴミがなくなると、綿でもって耳の中をきれいに掃除して終わりです。

ある時、僕はあまりの気持ち良さにはまって、連日耳かき屋のところへ通いました。
しかし、耳かき師の腕が良すぎるために、一度いったら耳クソは綺麗にとられてしまいます。
ついには、「君はもう必要ないから無駄遣いするな」といわれる始末……結局、あきらめることを余儀なくされました。

ところで、先日ある歴史研究家と話をする機会がありました。
そこで何気なく「笑い話」として耳かき屋のことを語ったら、研究家いわく、

「日本にも昔から耳かき屋というのがあったんですよ。私が知っているのでは江戸時代にあったそうです」

なるほど。
アジアには変な職業があると笑っていましたが、日本にもしっかりあったんですね。まぁ、あの気持ち良さを考えれば、日本で商売になっても不思議ではないと思うのですが。





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