アジアには、「水売り」というのがいます。
読んで字のごとく、水を売っている方々です。
路上の水売りとしてはミャンマーやインドでよく見掛けます。

世界には、様々な水が売られています。
ただ、ほとんどが「美味しい水」「安全な水」というのが売り文句です。
前者は日本で販売されているエビアンがそうですし、後者は途上国で売られているミネラルウォーターなんかがそうでしょう。
しかし、路上の水売りが売っている水はこれとは違います。彼らが売っているのは「冷たい水」なのです。

そもそも、途上国にはコンビニや自動販売機がありません。
また、停電が頻発するために冷蔵庫があまり意味をなさなかったりします。
しかし、インドやミャンマーはひどく暑い。そこで、「冷たい水」を売る商人が現れるのです。

とはいっても、彼らの商売は単純です。
バケツに氷をいれて、その上に水をたらして、冷えたものを飲ませる。
あるいはコップに氷をいれて、カクテルのようにかき回して、冷水をつくる。
それだけです。
それでも、この商売が成り立つというのは、やはりそのぶん「冷たいもの」が貴重だからなのでしょう。

ちなみに、水売りは日本にもあったようです。
江戸などでは「冷やっこい」と呼ばれて売られていました。
この言葉からもわかるとおり、当時も「冷たい水」が売り文句だったようです。
ただ、江戸時代は冷蔵庫がありませんから、洞窟のような穴に氷や雪をためて自然の冷蔵庫をつくり、そこから氷を少しずつ出して売っていたそうです。
ついでにいうと、初代ミネラルウォーターが売られたのは明治の初期だということです。「三ツ矢平野水」というのが瓶で売られたんだとか。その後は湧き水を中心に瓶や樽に入れられて街中で「美味しい水」として売られ、今のミネラルウォーターにつながっていきました。

そうそう、水というと一つ忘れられない思い出があります。
初めてインドへ行った時に猛烈な下痢と嘔吐に襲われました。
本当にひどくて何を食べても、一瞬で嘔吐してしまうような状態でした。
果物なんかはもちろん、ジュースを飲んでも吐くし、飴玉を口に入れてその甘いツバを飲んだだけでも吐いてしまうのです。さすがに死ぬかと思いました。
けれど、不思議なことに、そんな状態でも水だけはいくら飲んでも吐かないのです。甘いツバを飲んでも吐くのに、水は一リットル飲もうと二リットル飲もうと全然問題ないのです。
この時初めて「水のすごさ」を知りましたね。ウソだと思うなら、是非一度試してみてください(笑)。





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